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フラット35は「長期の安心」を優先する人向けの住宅ローン
住宅ローンを検討していて、フラット35が気になる方は多いでしょう。 変動金利との違いや、本当にお得なのかがわかりにくい商品です。
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する最長35年の全期間固定金利ローンです。 金利変動リスクがなく、返済額が完済まで一定になる安心感が最大の特徴です。
この記事では、フラット35の特徴を詳しく解説します。 変動金利との違い、利用条件、メリット・デメリット、選び方のポイントまで網羅します。
フラット35の基本
運営主体
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と民間金融機関が連携して提供しています。 公的な性格を持つ住宅ローンです。
最大の特徴
全期間固定金利です。 借入時の金利が完済まで変わりません。
借入期間
最長35年(フラット50なら最長50年)です。 長期の安心設計が可能です。
借入可能額
100万円以上8,000万円以下です。 購入価格の100%まで借りられる場合もあります。
フラット35の種類
フラット35(通常タイプ)
標準的な全期間固定金利ローンです。 多くの方が利用する基本形です。
フラット35S
省エネ性・耐震性などの基準を満たす住宅向けです。 当初5〜10年間の金利が引き下げられます。
フラット35 リノベ
中古住宅購入と同時にリフォームする場合のプランです。 中古住宅流通を促進する設計です。
フラット50
借入期間を最長50年に延長できるタイプです。 対象は長期優良住宅のみです。
フラット35のメリット
1. 金利変動リスクがない
完済まで金利が変わらないため、返済計画を立てやすいです。 金利上昇時に強みを発揮します。
2. 返済額が一定
月々の返済額が最初から最後まで同じです。 家計管理が安定します。
3. 団信加入が任意
団体信用生命保険の加入が任意で、加入しない選択もできます。 健康上の理由で他のローンが組めない方にも対応できます。
4. 保証料・繰上返済手数料が無料
多くの民間ローンと異なり、保証料がかかりません。 繰上返済も手数料無料で柔軟です。
5. 勤続年数・職業の制限が緩い
自営業や転職間もない方でも比較的通りやすいです。 年収基準を満たせば申込可能です。
6. 物件価値の適格審査
住宅金融支援機構が一定の物件基準を定めており、粗悪な物件を避けられます。
フラット35のデメリット
1. 変動金利より金利が高い
変動金利と比べ、0.5〜1%程度高くなる傾向があります。 金利低位時は総返済額が増えます。
2. 審査基準を満たす物件が必要
技術基準に適合しない物件は利用できません。 中古物件では注意が必要です。
3. 頭金の有無で金利が変わる
頭金10%以上で金利優遇があります。 頭金が少ないと金利負担が増えます。
4. 団信は任意だが別加入が必要
団信に加入しないと、万一の際の保証がありません。 他の生命保険との連携が必要です。
生命保険の基礎は20代の生命保険選び方で解説しています。
5. 借入までに時間がかかる
審査と物件検査で1〜2ヶ月かかることがあります。 急いでいる方には不向きです。
変動金利とフラット35の比較
| 項目 | フラット35 | 変動金利 |
|---|---|---|
| 金利タイプ | 全期間固定 | 半年ごと見直し |
| 金利水準 | やや高め | 低め |
| 返済額 | 一定 | 変動可能性あり |
| 金利上昇リスク | なし | あり |
| 繰上返済手数料 | 無料 | 条件による |
| 団信 | 任意 | 基本必須 |
※金利水準は変動します。最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
各行の住宅ローン金利比較は住宅ローン金利比較10行を参考にしてください。
フラット35の利用条件
申込人の条件
- 申込時70歳未満
- 年収400万円未満:年間返済額が年収の30%以下
- 年収400万円以上:年間返済額が年収の35%以下
対象住宅の条件
- 床面積:戸建て70㎡以上、マンション30㎡以上
- 住宅金融支援機構の技術基準を満たすこと
- 原則として申込人が所有し居住する住宅
借入額の条件
- 100万円以上8,000万円以下
- 購入価格の100%まで借入可能(ただし90%超は金利上乗せ)
フラット35Sの優遇金利
対象住宅の基準
- 省エネルギー性
- 耐震性
- バリアフリー性
- 耐久性・可変性
これらのいずれかで一定基準を満たすと利用できます。
金利引き下げ期間
- ZEH:当初5年間、年0.5%引き下げ
- 長期優良住宅:当初10年間、年0.25%引き下げ(A、B区分により異なる)
※優遇内容は予算により変更されることがあります。最新情報は住宅金融支援機構の公式サイトでご確認ください。
フラット35の申込手順
ステップ1:金融機関を選ぶ
フラット35は複数の金融機関で取り扱っています。 取扱金融機関ごとに事務手数料や付帯サービスが異なります。
ステップ2:事前審査
年収、勤務先、借入希望額を審査します。 数日〜1週間で結果が出ます。
ステップ3:物件の技術基準確認
適合証明機関による検査を受けます。 新築は設計段階、中古は既存住宅を検査します。
ステップ4:本審査
事前審査より詳細な書類で審査します。 1〜2週間程度かかります。
ステップ5:契約・融資実行
契約書を締結し、物件引渡し時に融資が実行されます。
フラット35と組み合わせる方法
ミックスローン
変動金利とフラット35を組み合わせる方法です。 金利上昇リスクを一部ヘッジできます。
親子リレー返済
親子で返済を引き継げる仕組みです。 借入期間を実質的に延ばせます。
頭金をしっかり準備する
頭金10%以上で金利優遇があります。 可能な限り自己資金を増やしましょう。
フラット35が向いている方
金利上昇リスクを避けたい方
変動金利は月々が安い反面、将来の金利上昇が不安です。 長期の安心を買いたい方にフラット35は最適です。
家計管理を重視する方
毎月の返済額が一定で予算を立てやすいです。 教育費など長期支出を計画的に管理したい方に向きます。
自営業・転職間もない方
銀行系ローンの審査に通りにくい場合でも、フラット35なら通る可能性があります。
健康上の理由で団信に入れない方
団信加入が任意なので、持病があっても組めます。
長期優良住宅を建てる方
フラット35Sの優遇金利で総返済額を抑えられます。
フラット35が向いていない方
短期間で完済予定の方
10年程度で完済予定なら、変動金利のほうがトータル支払いが少なくなる可能性があります。
金利低下を享受したい方
将来金利が下がると、フラット35では機会損失になります。 変動金利なら下落メリットを受けられます。
事業用・投資用物件の方
フラット35は自己居住用のみです。 投資物件や事業用は対象外です。
借り換え時のフラット35活用
借り換えのタイミング
変動金利からフラット35への借り換えは、金利上昇が懸念される時期に検討します。
借り換えのメリット
- 金利上昇リスクの回避
- 月々返済額の安定
借り換えのデメリット
- 借り換え時の諸費用(数十万円)
- 金利水準次第で総返済額が増える可能性
借り換えの詳細は住宅ローン借り換えタイミングで解説しています。
諸費用の目安
フラット35利用時の主な費用
- 事務手数料:借入額の1〜2%程度(金融機関ごとに異なる)
- 物件検査費用:3〜7万円
- 適合証明書発行費用:1〜3万円
- 印紙税、登録免許税、司法書士報酬など
借入額3,000万円なら、諸費用合計で70〜150万円が目安です。 ※費用は概算です。最新情報は金融機関の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
質問:フラット35と銀行ローンのどちらが有利ですか
金利水準と借入期間によります。 長期で金利上昇を懸念するならフラット35、短中期完済なら銀行ローンです。
質問:フラット35に団信は必要ですか
できれば加入するべきです。 万一の保障が必要な家庭では必須です。
質問:繰上返済は自由にできますか
はい、手数料無料で10万円以上から可能です。 インターネット返済なら1万円以上から対応する場合もあります。
質問:中古住宅にも使えますか
使えます。 ただし、中古住宅は適合証明基準を満たす必要があります。
質問:収入合算や連帯債務は可能ですか
可能です。 夫婦での収入合算、ペアローンなどに対応しています。
まとめ:フラット35は「安心重視」の選択
フラット35は、金利上昇リスクを回避し、長期の安定返済を実現する住宅ローンです。 変動金利より金利はやや高めですが、完済までの計算が立つ点で大きな安心感があります。
特にフラット35Sを活用すれば、優良住宅の金利優遇で総返済額を抑えられます。 自営業、転職間もない方、団信に加入できない方にも有力な選択肢です。
一方で、短期返済予定や金利低下メリットを享受したい方には、変動金利のほうが適しています。 自身のライフプランと相談して選択しましょう。
住宅ローンは人生最大の支出です。 この記事を参考に、自分に合ったローンを選んでください。 他の金利比較は住宅ローン金利比較、資産形成は新NISAの始め方も参考になります。
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